オープンマリッジとは?体験者の声をもとにメリット・デメリット、相手の見つけ方も

世の中には夫婦間のルールを柔軟に設定し、お互いで別のパートナーと恋愛関係を持っている人たちがいます。これは「オープンマリッジ」と呼ばれ、夫婦それぞれが合意のもとで外部のパートナーを持つ新たなスタイルです。
ただ、オープンマリッジにも一定のルールが決められていることが一般的です。ルールを決めずに「何でもあり」という状態を作ってしまうと、後々に大きなトラブルになりかねません。
このようなことから、基本的なオープンマリッジの知識だけでなく、実際にオープンマリッジという方法を採用する人たちのルールや注意点を理解しておくことが大切です。
この記事では、オープンマリッジについて、体験者の声をもとにメリット・デメリット、相手の見つけ方を解説します。
オープンマリッジとは、夫婦が別のパートナーとの関係をお互いにOKとするスタイル
オープンマリッジとは、夫婦が別のパートナーとの関係をお互いにOKとするスタイルのことです。
これは夫婦が「お互いの恋愛や性的な自由を尊重する」という考えのもとでおこなわれ、プラトニックな関係のみで付き合う「セカンドパートナー」とは異なった考え方です。あらかじめ夫婦間でルールを決めておき、このルール下で別の相手との交際を容認しています。
ただ、このルール設定が曖昧なものであれば、「自分は認めていない行為を、相手はOKだと思っていた」というズレが起き、トラブルの原因になりかねないため注意が必要です。
オープンマリッジを体験したことがある人は「4.2%」
ノマドマーケティング株式会社の調査によると、日本でオープンマリッジを体験したことがある人は「4.2%」と報告されています(※)。この調査は2021年に公開されたものであり、全国の30〜59歳の既婚者(男女)1,000人を対象とした結果です。
この調査結果だけを見るとオープンマリッジの体験した数は少数派に見えるものの、夫婦間の問題は外へ表立って出にくく、周囲で公表されていないケースも多々あります。そのため、実際はこの数字よりも多い可能性も否定できません。
加えて、オープンマリッジの考え方はまだまだ新しいものであるため、多様化するこの現代社会において、今後の動向でも増えることも想定されます。
(※)参考:PR TIMES「オープンマリッジって知っていますか!?1000名の既婚者に徹底調査!実際や募集方法まで解明」
オープンマリッジがもたらす5つのメリット
オープンマリッジには、既存の結婚観では得られないメリットがあります。しかし、そのメリットをうまく活かせないまま実践すると、夫婦が持つ可能性を十分に発揮できず、結局「普通の結婚のほうがいい」と後悔してしまうおそれもあるでしょう。
もし、オープンマリッジに興味があれば、メリットの理解は大切といえるでしょう。
ここでは、オープンマリッジがもたらすメリットについて、以下の5点を解説します。
- 今のパートナーとも円満な関係になる
- セックスに関する悩みが解消される
- 罪悪感に苛まれない
- 不倫によるトラブルがない
- 好きなことを好きなタイミングでできる
①今のパートナーとも円満な関係になる
オープンマリッジでは夫婦のどちらか一方にすべてを求めなくても良い関係になるため、精神的な負担が軽くなります。また、互いに外部の交流を認め合うことで「束縛されている」という不満が減り、むしろ夫婦間の尊重意識が強まるケースも少なくありません。
これらの結果から、今のパートナーとの普段の会話やスキンシップにも良い影響が出る可能性があります。
②セックスに関する悩みが解消される
性行為に対する欲求やペースが合わない夫婦はめずらしくありません。その不一致を放置すると、夫婦喧嘩や不満の原因になる可能性があります。
オープンマリッジでは、外のパートナーを通じて性の充足を得られるため、夫婦同士でセックスに対する認識や行為を無理に合わせる必要がありません。とくに、性的嗜好が一致する相手であれば、普段のセックスとは異なった刺激的な体験も可能となります。
③罪悪感に苛まれない
不倫は夫婦間の了承を得ずにおこなわれるため、トラブルの原因となりやすい問題です。
しかし、オープンマリッジは最初から「外部との関係を容認する」という合意があるため、浮気や隠しごとで感じる後ろめたさを抱えにくくなります。また、外部との相手との肉体関係を容認していれば、不倫になるリスクも限りなく抑えられるでしょう。
④不倫によるトラブルがない
オープンマリッジは一般的な不倫と異なり、夫婦と外部パートナーの関係がオープンになっているため、隠し立てが原因の大きなトラブルは少なくなります。もちろん、感情の行き違いや嫉妬がゼロになるわけではありませんが、慰謝料や離婚問題といった法的トラブルに直結しにくい点は大きなメリットといえるでしょう。
ただし、完全にトラブルを排除できるわけではないため、あらかじめルールを作って慎重に進めることが大切です。
⑤好きなことを好きなタイミングでできる
パートナー以外にも気軽に交流できる場や相手がいると、人生の選択肢が広がります。
今のパートナーとの趣味が合わない場合でも、お互いに外部で満足を得られることから、家庭で無理に合わせる必要がなくなります。その結果、夫婦同士の時間がより安定し、それぞれが自分らしさを取り戻しやすくなるでしょう。
「結婚生活=相手に合わせ続けるもの」という固定観念にとらわれずに済むことは大きなメリットといえます。
オープンマリッジで付き合う際のデメリットと注意点とは?
メリットに惹かれる一方で、オープンマリッジには見逃せないデメリットもあります。もしこれらのデメリットを知らずに、オープンマリッジの関係性を持つと、予想もしなかったトラブルを引き起こすかもしれません。
デメリットの理解と同時に、それに対する注意点や対策を考えておくことも大切でしょう。
ここでは、オープンマリッジで付き合う際のデメリットと注意点について、解説します。
- 周囲の理解を得られづらい
- 子どもに説明しづらい
- 相手との間に子どもができるリスクがある
①周囲の理解を得られづらい
日本では一夫一妻制の考えが根強く、オープンマリッジを受け入れられる人はまだまだ多くありません。
そのため、自身の親や親戚、友人から冷たい反応を受ける可能性もあり、下手をすると職場や近所で噂になってしまうこともあるでしょう。とくに、価値観が保守的な環境にいれば、否定的な声が多くなることを踏まえておく必要があります。
理解を得るのが難しいとわかっている相手には、最初から詳細を話さないという選択肢も有効でしょう。
②子どもに説明しづらい
オープンマリッジは子どもの視点から見ると「親が複数の相手と過ごしている」状態であるため、混乱したり、ショックを受けたりすることもあります。そのため、夫婦だけで納得していても、子どもの心情を丁寧に考慮しないと家族関係に深刻な影響を及ぼしかねません。
ある程度理解してもらう年齢になってから説明をするといった、十分な配慮をした上で段階的に打ち明ける方法を検討する必要があります。
③相手との間に子どもができるリスクがある
外部のパートナーとの関係が思いのほか深まり、子どもができてしまうという妊娠のリスクは否定できません。また、パートナーの相手が既婚者である場合、さらなる複雑な家庭問題に直面するケースも考えられます。
妊娠してしまうと夫婦だけでは解決できない問題になり得るため、事前に避妊や責任の範囲を具体的に決めておくことが重要です。
オープンマリッジを検討する上での大切なポイント
オープンマリッジを始めるかどうかを判断するうえで、いくつかの重要な視点を見落としていると大きな後悔に繋がります。実際、合意を得てスタートしたはずなのに、想定外の不安や嫉妬に襲われて悩む人は少なくありません。
このような事態を避けるために、オープンマリッジを検討する上での大切なポイントを理解しておくことが大切です。
ここでは、オープンマリッジを検討する上での大切なポイントについて、解説します。
- 今のパートナーに理解してもらえるか?
- 家族に理解してもらえるか?
- 相手の家族も理解しているか?
- 周囲からの見られ方は問題ないか?
- 一線を超えてしまわないか?
①今のパートナーに理解してもらえるか?
一番大切であるポイントは、「夫婦が同じゴールや価値観を共有できているかどうか」という点です。どこまで外部の関係を許容するのか、身体的な接触はどの程度までなら平気なのか、といった具体的なルールを決めずに始めると、細かなすれ違いが積み重なってしまいます。
このような問題にならないよう、相手の気持ちを尊重しながら時間をかけて話し合う姿勢が必要です。
②家族に理解してもらえるか?
夫婦以外にも、親や兄弟姉妹、同居している家族がいれば、その人たちの生活にも影響を与える可能性があります。オープンマリッジはまだまだ浸透していないスタイルであるため、家族からの反発や心配が予想されるでしょう。
無理に説得しようとせず、必要最低限の説明にとどめたり、生活エリアをわけたり、などの工夫をすることで安心感を保ちやすくなります。もし、理解が得られないと感じた場合、生活リズムや会う頻度を調整し、物理的に外部の相手と接触を減らす方法も検討してみてください。
③相手の家族も理解しているか?
外部のパートナー側にパートナーや子どもがいる場合、自分の夫婦だけが同意していても意味がありません。相手の家族が不快感を覚えれば、トラブルに発展するリスクが高まります。
もし、相手の家庭がオープンマリッジに否定的であれば、どこまで関係を続けられるのかも含め、しっかり確認しておく必要があります。無理に理解を求めると逆効果になるケースもあるため、関係悪化を防ぐうえで慎重な行動が大切です。
④周囲からの見られ方は問題ないか?
夫婦だけで合意できれば良いとはいえ、職場や近隣住民での立場を考えると、周囲の視線は無視できない場合があります。とくに、オープンマリッジに対して保守的なコミュニティでは「非常識」と見なされやすいかもしれません。
あらぬ噂を立てられて仕事や子どもの学校生活に支障が出る可能性を考慮して、どこまで公表するのかを決めることが大切です。
たとえば、職場での昇進や配属への影響、子ども会や地域活動で奇異の目を向けられるリスクなどをあらかじめ洗い出し、夫婦でどう対処するか話し合っておくと安心でしょう。
⑤一線を越えてしまわないか?
「ここまではOKだけど、これはダメ」という基準を作ったとしても、感情は思い通りにならないものです。外部パートナーに本気になりすぎて、夫婦関係がおろそかになるケースもあります。
そのため、ルールを守る意識を強く持ち、定期的に夫婦で状況を振り返る場を設ける対応が必要です。また、コミュニケーションを取る際に、不満や不安をため込まないように相手に気を遣うことも大切です。
オープンマリッジの相手が見つかる3つの方法
オープンマリッジを実践する上で、多くの人が衝突する壁が「どうやって外部パートナーを探すか」という問題です。適切な出会い方を知らないと、後悔するような相手に巡り合ってしまったり、トラブルが起こりやすい環境に足を踏み入れたりしかねません。
最後に、オープンマリッジの相手が見つかる方法について、以下の3点を解説します。
- 既婚者マッチングアプリ
- 既婚者合コン
- オンラインコミュニティ
①既婚者マッチングアプリ
既婚者向けのマッチングアプリを利用すると、同じような価値観を持つ人を探しやすい傾向にあります。
サービスによっては身元確認や年齢認証をおこなっており、安全面も考慮したものが提供されています。また、相手とのコミュニケーションルールをアプリ内で取り決める場合もあり、より安心感を得られるでしょう。
上手に活用できれば、理想の相手を早い段階で探すことが可能です。
②既婚者合コン
既婚者限定の合コンは実際に対面する機会があるため、相手の雰囲気を直接感じられます。
オンラインよりも深く話せるメリットがある一方、知り合った後のトラブルが大きくなった際に逃げ道が少ない可能性もあります。共通の友人を介して開催されることが多いため、守秘義務をどう扱うかなどをあらかじめ確認しておくとトラブルを減らしやすいでしょう。
開催場所や主催者の信頼度によって安全性は大きく変わるため、誘われたときは自分の立場や目的に合った場かどうかを見極めることが大切です。
③オンラインコミュニティ
昨今ではSNSやオンラインサービスが普及しており、オンラインコミュニティという選択肢もあります。
オンラインコミュニティでは、共通の話題を持つ人との交流を通じて自然に仲を深めることが可能です。コミュニティによっては共通点が多い相手とマッチングしやすく、恋愛感情に発展することも少なくありません。
ただし、相手が実は既婚者かどうかを見分ける段階で誤解が生じないよう、早めにお互いの状況をオープンにしておくことが大切です。
まとめ|オープンマリッジを取り入れて、自分らしさを取り戻そう!
この記事では、オープンマリッジについて、体験者の声をもとにメリット・デメリット、相手の見つけ方を解説しました。
オープンマリッジは、夫婦がお互いに自由を尊重し合うことで、従来の結婚生活にないメリットを得られる新しい選択肢です。しかし、誤解や準備不足のまま始めると、望んでいた以上のトラブルや周囲からの反発に直面し、苦しい思いをするかもしれません。
メリットだけでなく、デメリットや周囲の反応、子どもへの影響など、あらゆる角度から検討することが大切です。
関わるすべての人が納得できる形を模索しながら進めれば、自分たちなりの幸せな関係を築けるでしょう。周囲の常識にとらわれず、納得できる暮らし方を探す一歩として、オープンマリッジという選択肢を前向きに考えてみてはいかがでしょうか。