既婚男性が妻以外の女性に心の支えを求めるケースは少なくありません。仕事のプレッシャーや夫婦間のコミュニケーション不足、漠然とした孤独感から、妻以外の誰かに心の支えを期待してしまう男性もいるでしょう。
しかし、その行動は一般的に肯定されるものではなく、大きなリスクを伴うことも事実です。なぜそのような心理状態になるのか、実際にどのようなリスクがあるのか、そして関係を壊さずに心の安定を得るための方法を知っておくことが大切です。
この記事では、妻以外に心の支えを求めてしまう心理的な背景とリスクについて、待ち受けるトラブルや解決策を交えて解説します。
【約3人に1人】妻以外に「心の支え」を感じる男性は多い!割合や調査結果を紹介
レゾンデートル株式会社が2023年に実施した調査によると、既婚男性の33.0%が婚外恋愛を経験していることが明らかになりました。とくに40代男性ではその割合が38.3%と最も高く、30代および50代の男性でも約30%が経験ありと回答しています。


仕事での責任の増加や、家庭内での役割の変化など、さまざまなプレッシャーがかかる中年期に、癒やしや刺激を求めてしまう男性が多い傾向があるようです。
また、「子どもあり」の既婚者男性ではその割合がさらに高く、36.5%が経験ありと回答しました。

家庭内での役割や責任感、さらには妻の気持ちが子どもに向いていることへの不満感が影響している可能性があります。
これらの調査結果は、妻以外に心の支えを求める既婚男性が決して少数派ではないという現実を示しています。
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心の支えを求める理由は、孤独感や夫婦間のコミュニケーション不足
妻がいるのに満たされない、家庭に安らぎがない、と不満を感じる既婚男性は少なくありません。
不満を持ってしまう原因の1つが夫婦間の深刻なコミュニケーション不足です。日々の忙しさから心の内を語り合う時間が減り、会話が子どもや家事の分担といった業務連絡になりがちです。 実際、妻に不満を持つ男性の47.2%が婚外恋愛を経験しているというデータもあります。
こうした状況が続くと、そばにいるはずの妻との間に心理的な距離が離れ、孤独感を深めてしまうでしょう。心の距離が離れないためにも夫婦間の問題点を理解して、向き合う姿勢が必要です。
ここでは、夫婦間のコミュニケーション不足になりやすい5つの理由を解説します。
- 夫婦間で十分なコミュニケーションが取れていない
- 配偶者に不満がある
- 期待されるプレッシャーから孤独を感じる
- 家庭内で「理解されていない」と感じる
- すれ違いが日常化する

①夫婦間で十分なコミュニケーションが取れていない
日々の仕事や家事、育児に追われる中で、夫婦の会話はどうしても後回しになりがちです。十分なコミュニケーションが取れていないと表面的な会話ばかりになり、相手の気持ちがわからなくなってきてしまうでしょう。
たとえば以下のような状態になるとコミュニケーション不足になってしまいます。
- 挨拶をしない
- 子どもの予定確認や家事の分担といった業務連絡のようなやり取りのみ
- その日の出来事や感じたことを共有する機会がない
コミュニケーション不足の状態が続くと、次第に相手への不信感が募り、気づかないうちに関係が冷え切ってしまう原因となります。
②配偶者に不満がある
レゾンデートル株式会社の調査によると妻に不満を持つ男性は、そうでない方に比べて婚外恋愛の経験率が高い傾向にあるようです。とくに、配偶者に対して以下のような不満があると婚外恋愛につながりやすくなります。
- 性格全般
- 性生活
- 金銭感覚の違い
不満を家庭で解消できない時、妻以外の存在に心の支えを求めてしまう傾向が強まります。
③期待されるプレッシャーから孤独を感じる
「一家の大黒柱」「家族を守るべき存在」といった役割を期待される男性は、その重圧を感じやすいです。経済的な安定に加え、積極的な育児参加も求められ、日々の負担は増えています。
しかし、自身や社会が抱えている「男らしさ」という無意識の偏見の中で、ストレスや悩みを誰にも相談できず、抱え込んでしまうケースも少なくありません。
職場でも家庭内でも弱音を吐けなくなってしまうと、理解や共感を求めて家庭外に心の安らぎを探してしまいます。
④家庭内で「理解されていない」と感じる
仕事の辛さや不安を妻に打ち明けられず、一人で抱え込む男性は少なくありません。家族に心配をかけたくないという気持ちが、無意識のうちに心理的な壁を作ってしまいます。
また、勇気を出して弱音を吐いたとしても無関心や反発されるような返答があると「理解してもらえない」といった気持ちが強くなってしまうでしょう。
その結果、家庭で満たされない承認欲求や癒やしを求める気持ちが、無意識に妻以外の誰かに向けられ、心の支えを外に求めてしまう要因となるのです。
⑤すれ違いが日常化する
平日は仕事で帰宅が遅くなり、週末も家事や育児で多忙になると生活リズムが合わなくなってしまいます。生活リズムが合わないと、夫婦が向き合って話す時間はなかなか確保できないため、すれ違いが発生してしまうでしょう。
顔を合わせても互いの状況や気持ちを共有しないため、同じ家に住んでいるのに心が離れているように感じます。
このような精神的なすれ違いが日常化することで家庭に居場所がないように思い、妻以外へ心の支えを求めてしまいます。
心の支えを妻以外の人に求めたことで起きるトラブルとは?
「妻とうまくいかない」「誰かに癒やされたい」そんな思いから妻以外の女性に心の支えを求めると、一時的に孤独感は和らぐかもしれません。しかし、その行動は想像以上に大きな代償を伴う可能性があります。
軽い気持ちのやり取りが、いつしか不倫関係へと発展し、家庭の崩壊や妻からの信頼をなくすケースは後を絶ちません。
さらに深刻なのは、慰謝料請求といった法的な問題や、職場での評価低下など社会的な信用を失う事態です。
ここでは、心の支えを妻以外の人に求めたことで起きるトラブルについて、実際のトラブル事例を紹介します。
- 夫婦関係が崩壊している上に不倫がバレる
- 不倫がバレて再構築したが、許されていない
- 不倫していたら慰謝料を請求された
- 職場での信頼を失った
夫婦関係が崩壊している上に不倫がバレる
とあるケースでは、元々冷え切っていた夫婦関係の夫が妻以外の女性に心の支えを求め、不倫関係に発展しました。
不倫が発覚すると、妻は不倫相手に激しい憎悪を向け、訴訟を起こすだけでなく過激な誹謗中傷を行うなど、攻撃的な行動に出てしまったようです。
夫は関係修復は不可能と考え離婚を望んでいますが、妻は世間体や裏切られた怒りから断固拒否し、再構築を要求しました。夫婦間の溝は深まるばかりで、出口の見えない対立が長期化しています。
一方で、妻からの執拗な攻撃を受ける不倫相手の女性は精神的に深く傷つき、仕事を休職せざるを得ないほど追い詰められています。
不倫がバレて再構築したが、許されていない
不倫が発覚した後、再構築という道を選んだとしても、夫婦関係が完全に元通りになることは極めて難しい現実があります。
再構築を選び表面的には以前と変わらない生活をしていても、「夫への愛情はなくなり、家庭を壊された怒りや憎しみだけが残った」「一生許すことも忘れることもできない」という妻側の痛切な声が寄せられています。
表面上は家族としての形を保っていても、裏切られた側の心の傷は決して癒えることはなく、不信感や嫌悪感が消えることはありません。一度失われた信頼を取り戻すことは不可能に近く、再構築とは名ばかりの、愛情のない冷え切った関係が延々と続くケースも多くあります。
不倫していたら慰謝料を請求された
妻以外の女性に心の支えを求めた結果、不倫関係に発展し、その配偶者から高額な慰謝料を請求されることは現実にあります。
とあるケースでは、「既婚者と知りながら関係を続け、相手の配偶者から200万円の慰謝料を請求された。」という切実な相談が寄せられています。
実際に、不倫による慰謝料の相場は、以下の表の通りです。相手が既婚者であることを知りながら関係を持った場合、法的な責任を問われることは避けられません。
ケース | 金額 | 主な決定要因 |
離婚しない場合 | 数十万円〜100万円 | 不倫期間・頻度、精神的苦痛の程度 |
離婚する場合 | 100万円〜300万円 | 不倫期間・頻度、精神的苦痛の程度 |
職場での信頼を失った
妻以外に心の支えを求めた相手が職場の人だった場合、その関係はプライベートな問題に留まらず、職場全体に悪影響を及ぼします。社内不倫が原因で業務に支障が出たり、周囲の反感を買ったりして職場全体の雰囲気が悪化し、仕事がしにくくなったというケースもあります。
不倫は多くの企業で道徳的に問題視され、発覚すれば周囲の信頼を失うことは避けられません。これは人間関係の悪化だけでなく、昇進の道が閉ざされたり、重要なプロジェクトから外されたりするなど、キャリアに直接的な打撃を与える可能性が高くなります。
軽い気持ちで始めた関係が、自身の社会的な立場や将来を危うくするリスクがあることを忘れてはいけません。
妻との関係性を良好にさせる心の支えの見つけ方5選
これまで見てきたように、妻以外の女性に心の支えを求めてしまうと、不倫トラブルや慰謝料請求、社会的信用の失墜といった深刻な事態を招きかねません。一時的な癒やしを求めた結果、取り返しのつかない代償を払うことになる場合があります。
しかし、心の支えそのものが悪いわけではありません。大切なのは、誰に、そして何に、支えを求めるかです。
女性以外に健全な心の支えを見つけると、孤独感を和らげ、自己肯定感が高まり、日々の生活に満足感をもたらします。それは結果的に、自身の精神的な安定につながり、妻との関係性にも良い影響を与えるでしょう。
ここでは、妻との関係性を良好にさせる心の支えの見つけ方を5つ紹介します。
- 仕事に没頭する
- 趣味を始める
- 友人や仲間と遊ぶ
- オンラインでの仲間を見つける
- 自己研鑽を始める
①仕事に没頭する
仕事に没頭することは、心の支えとなる有効な手段です。目の前の仕事に真剣に取り組むことで生産性が向上し、結果的に職場での評価が高まります。
仕事に没頭して目標達成した場合は「自分は必要とされている」「社会の役に立っている」という感覚は、自己肯定感を高め、精神的な安定をもたらすでしょう。
他のことを考える余裕がないほど仕事に打ち込むことで、孤独感や家庭での満たされない気持ちから意識をそらせます。
②趣味を始める
夢中になれる趣味を見つけることは、心の安定につながります。好きなことに没頭する時間は、日々のストレスや悩みを忘れさせ、気分転換になるでしょう。
とくに、体を動かす趣味は、脳内の幸福感を促すホルモンの分泌を促し、精神的な安定感をもたらします。
また、映画鑑賞や料理、旅行など、夫婦で一緒に楽しめる趣味を見つけるのもおすすめです。共通の話題が増えることで自然とコミュニケーションが生まれ、夫婦の絆を強めます。
③友人や仲間と遊ぶ
気心の知れた友人や仲間と過ごす時間は、かけがえのない時間です。とくに、同性の友人であれば普段はなかなか口に出せない仕事の愚痴や家庭での悩みを打ち明けやすいでしょう。
ただ話を聞いてもらうだけでも、心の中に溜まったストレスやモヤモヤが軽くなり、精神的な安定感を取り戻せます。家族とは異なる、客観的な視点からのアドバイスがもらえることもあるでしょう。
友人たちと集まって他愛ない話をしたり、共通の趣味を楽しんだりする時間は孤独感を和らげます。
④オンラインでの仲間を見つける
インターネット上には多様なつながりがあります。顔が見えない匿名性から、普段は言えない本音を話しやすかったり、共通の話題で盛り上がれたりするでしょう。
オンラインの仲間を見つける方法として以下のやり方が挙げられます。
- SNSで趣味の仲間を見つける
- オンラインゲームでのつながりを見つける
- 趣味のコミュニティを見つける
誰かとつながっているという感覚は安心感をもたらし、孤独感を和らげます。異性間のトラブルを避けつつ、手軽に心の拠り所を見つける方法として活用しましょう。
⑤自己研鑽を始める
自己研鑽も、心の支えとなるでしょう。新しい知識やスキルを習得する過程で得られる達成感は、自己肯定感を高め、日常生活での自信にもつながります。
とくに読書はストレスの軽減が科学的に証明されており、精神の安定に効果的です。また、セミナーに参加したり、興味のある分野の資格取得に挑戦するのも良い刺激になります。
新しい知識やスキルを身につける過程は、自信と自己肯定感を育み、幸福感が高まるでしょう。
まとめ|妻以外の女性を心の支えにすることにはリスクもある
この記事では、妻以外に心の支えを求めてしまう心理的な背景とリスクについて、待ち受けるトラブルや解決策を交えて解説しました。
夫婦間のコミュニケーション不足や孤独感から、他の誰かに癒やしを求めたくなる気持ちは理解できます。しかし、その対象が妻以外の女性である場合、取り返しのつかないリスクを伴うことを忘れてはいけません。
大切なのは、一時的な感情に流されず自分自身の心と向き合い、健全な方法で精神的な充足感を得ることです。これらは異性関係に頼らなくても心を豊かにし、自己肯定感を高めます。
自分自身を満たす方法を見つけることが、あなた自身の幸せや大切な家庭生活を守ることにつながります。