結婚や恋愛に対する価値観が多様化する現代、オープンマリッジという新しい夫婦の形が知られるようになりました。
しかし、日本では貞操観念が強い文化的背景から一般的な選択肢とはいえず、魅力を感じつつも踏み出せない人もいます。
オープンマリッジは夫婦の合意が前提ですが、出会い方を間違えると不倫関係と誤解されたり、パートナーとの信頼関係を失ったりと、トラブルにつながりかねません。そのため、安全な出会い方や注意点を知っておくことが大切です。
この記事では、オープンマリッジの安全な出会い方について、基本的な内容や注意点、具体的な始め方を交えて解説します。
オープンマリッジとは、夫婦合意で婚外関係を認める新しい関係の形
「オープンマリッジ」とは、夫婦が互いに合意のもとで婚外の性的または感情的な関係を認め合う結婚の形態です。隠れておこなう「不倫」や「婚外恋愛」とは異なり、パートナー間の信頼と透明性を重視する点が特徴です。
近年、日本では結婚や夫婦関係に対する価値観が多様化しています。セカンドパートナーやポリアモリーなど、新しい関係性が注目される中で、オープンマリッジもその一環として認知され始めました。
漫画や映画、ドラマなどでオープンマリッジが取り上げられる機会が増えたことも、日本での認知度向上に寄与しています。こうしたメディアの影響により、「新しい夫婦関係」として興味を持つ人々が増えていると考えられます。
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オープンマリッジの相手との5つの出会い方
オープンマリッジという新しい関係性を築くには、パートナー以外の相手との出会い方が重要です。一般的な恋愛とは異なり、夫婦間のみに限らず、出会う相手ともオープンマリッジについて合意しておかないと、離婚や慰謝料の請求といった深刻なトラブルに発展するおそれがあります。
そのため、オープンマリッジを安全に実践するためには、「理解がある相手」との出会い方を選ぶのが大切です。
ここでは、オープンマリッジの相手と出会う代表的な5つの方法について解説します。
- 既婚者マッチングサービスを利用する
- 友人・知人に紹介してもらう
- 趣味や習い事のコミュニティに参加する
- SNSで相手を探す
- 職場で気になった相手にアタックする
関連記事:オープンマリッジって実際どう?体験談やパートナーの見つけ方を解説
①既婚者マッチングサービスを利用する
オープンマリッジの相手探しにおいて注目されているのが、既婚者向けのマッチングサービスです。
「オープンマリッジのような関係性を求めていること」を前提に相手を探せるため、価値観のミスマッチが起こりにくく、理想の相手を見つけやすいのが魅力です。
身元確認やプロフィール審査もおこなわれるため、一定の信頼性が担保されている点も安心材料といえます。
②友人・知人に紹介してもらう
友人や知人からの紹介は、相手の情報をある程度知ったうえで出会えるため、安心感を持ちやすく、失敗のリスクも少ないでしょう。
好みを理解してくれている友人・知人であれば、外見も含めて自分に合った相手を紹介してくれるという信頼感を持てます。
気心の知れた人からの紹介は、初対面でも距離が縮まりやすく、自然な形で関係を築きやすいでしょう。
③趣味や習い事のコミュニティに参加する
共通の趣味を持つ人と出会える場は、自然な形で仲を深めやすい環境といえます。趣味や習い事を通じて知り合う相手なら、お互いの話が弾みやすいでしょう。
関係性が深まると、オープンマリッジに関する価値観の話題も軽い雑談から始められます。
趣味や習い事を探す際は、男女が一緒に楽しめるものや、参加者の年代に注意して合うものを選ぶのがおすすめです。
注意点として、コミュニティは「習い事や趣味を楽しむ場」です。無闇に動いて雰囲気を悪くするのではなく、節度を持って行動しましょう。
④SNSで相手を探す
FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSは、手軽に多くの人とつながれることから、出会いのツールとして活用する人も少なくありません。とくに、Xでは、オープンマリッジに関する投稿も多く、同じ価値観を持つ相手を見つけやすいのが特徴です。
SNSを通じた出会いは、気軽にやり取りできる点も大きな魅力です。
⑤職場で気になった相手にアタックする
職場で気になる人がいればアタックしてみるのもおすすめです。毎日顔を合わせて人柄を知っている職場の同僚は、身近で安心できる存在です。
コミュニケーションも取りやすく、相手への理解も深めやすいでしょう。
同じ目標に向かって協力したり、悩みを共有したりすることで精神的な支えとなります。
オープンマリッジの相手を見つける際の3つの注意点
パートナー以外の相手との出会いはデリケートな問題です。単なる出会い探しとは異なり、自身の気持ちやパートナーとの信頼関係など、築き上げてきた生活そのものに影響を与えかねません。
軽い気持ちで始めてしまうと、オープンマリッジの相手にのめり込んでしまう危険性もあります。安心して心から満たされるオープンマリッジを実現するために、踏まえておくべき注意点を理解しましょう。
ここでは、オープンマリッジの相手を見つける際の3つの注意点を解説します。
- 夫婦合意のもとに始める
- 信頼できる相手を選ぶ
- 安全確保を優先する
①夫婦合意のもとに始める
オープンマリッジで最も重要なのが、パートナーとの心からの合意です。
どちらか一方の不満が残っている状態で進めると、夫婦関係の崩壊にもつながります。「OKと言ってくれたから」という表面的な確認だけではなく、お互いにどんなメリットや不安・心配があるのかを正直に打ち明けることが大切です。
なぜオープンマリッジを望むのか、どんな関係性を期待しているのかを伝え、パートナーの気持ちに真摯に耳を傾けましょう。
②信頼できる相手を選ぶ
夫婦間で合意できたら、次は誰を選ぶかという重要な選択です。
オープンマリッジの関係は、通常の恋愛以上に「信頼関係」が重要となります。なぜなら、守るべき夫婦間のルールや、漏れてはならない秘密が存在するからです。
相手選びを誤ると、不貞行為による離婚問題に発展します。単に魅力的な相手というだけでなく、お互いの状況やオープンマリッジという特殊性を理解し、誠実に向き合ってくれる人物かを見極めることが重要です。
③安全確保を優先する
オープンマリッジの関係を安心して育むためには、まずお互いの「からだの安全」を守ることが大切です。性感染症予防のため、以下の行為を基本的なマナーとして決めましょう。
- 性行為時のコンドームの使用
- 定期的な性病検査と報告
- 新しいパートナーとの性の安全についての話し合い
加えて、家庭や職場への影響も考慮し、個人情報の扱いにも注意しなければなりません。とくにSNSでの写真流出は、オープンマリッジが受け入れられにくい現代ではトラブルに発展するおそれがあるため、プライバシー管理は慎重におこなう必要があります。
【5ステップ】オープンマリッジの始め方とは?
夫婦の関係性を見つめ直したり、自分らしい生き方を模索したりする中で、オープンマリッジという選択肢に興味を持つのは特別なことではありません。
しかし、オープンマリッジについて誤った始め方をしてしまうと、夫婦間の認識の違いから不倫問題としてトラブルに発展するおそれもあります。
どのような手順で進めていけばお互いを尊重し後悔のない形を築けるのかを知っておくことで、安心して第一歩を踏み出せるでしょう。
ここでは、オープンマリッジを始めるための具体的なステップについて、5つの段階に分けて解説します。
- 夫婦でお互いが納得できるよう話し合う
- 具体的なルールを共同で設定する
- オープンマリッジの相手を探す
- 何度か会って相性を確かめる
- 交際をスタートさせる
①お互いが納得できるよう話し合う
オープンマリッジの第一歩であり、最も重要なのが夫婦間での対話です。この関係性は、夫婦の心からの納得があって初めて成り立ちます。
切り出す際は不満からではなく「私たちの関係を良くするために」のように、前向きな提案として持ちかけましょう。
一度で結論を出そうとせず、お互いの気持ちや価値観、不安な点を共有し、時間をかけて理解を深めていくことが大切です。どちらか一方が我慢する形ではなく、二人が心から納得できる合意点を見つけることを目指しましょう。
②ルールを共同で設定する
夫婦間の合意が得られたらルールを決めます。これは、オープンマリッジを安全に維持するためのものであり、お互いの安心感を担保するうえで重要です。
以下のように想定される内容を細かく話し合い、明確なルールとして決めます。
- 会う頻度はどれくらいか
- 会う時間帯はいつにするか
- 連絡方法はどうするか
- どこまでの関係を許容するか
- 相手の情報を共有するか
事前に具体的な取り決めをしておくことで「こんなはずじゃなかった」という誤解やすれ違いを未然に防げます。
③オープンマリッジの相手を探す
安全性を考慮するなら、身元確認などがある既婚者向けマッチングサービスの利用が選択肢の一つです。
出会い方はいくつかありますが、いずれも身バレ防止やプライバシー保護には細心の注意が必要です。単に気が合うだけでなく、オープンマリッジに対する価値観や目的が一致しているかも必ず確認しましょう。
そして、秘密を守れる誠実さがあり、夫婦間のルールを尊重してくれる、信頼できる人物かどうかを慎重に見極めることが重要です。
④何度か会って相性を確かめる
気になる相手が見つかったら、実際に会って相性を確かめます。初対面は人目のあるカフェなどで短時間から会いましょう。
安全を確保しつつ、相手の雰囲気や話しやすさを確認します。何度か会う中で、オープンマリッジについての考え方・ルールについて相手がそれらを尊重してくれるか、確認することも大切です。
相手の反応や態度、言動に違和感を覚えたら、それは重要なサインかもしれません。直感を大切にし、少しでも不安や疑問があれば、関係を進める前に解消するようにしましょう。
⑤交際をスタートさせる
相性が良いと感じたら、いよいよ交際スタートです。その前にパートナーへ報告し、最終的な合意を確認しましょう。
夫婦生活への配慮を忘れず、事前に二人で決めたルールは厳守します。問題が起きた場合はパートナーと共有し、相談することが大切です。
定期的な話し合いで透明性を保ちながら、自分らしいペースで関係を築きましょう。
パートナーから理解を得てもらうために必要な7つのルール
信頼関係を築き、安全で円滑な関係を続けるためにもオープンマリッジにおけるルールは大切です。ルールの設定をしていないと相手の納得ができない行動をしてしまい、トラブルに発展するおそれがあります。
とくに、オープンマリッジという関係性においては、誤解や衝突を避けられるかを事前に明確にしておくことが重要です。
ここでは、パートナーの理解を得てもらうために必要な7つのルールについて解説します。
- 家族へ配慮する
- 感情面に向き合う
- お金は家計と別にする
- 頻度を明確にする
- 関係性の線引きをする
- 相手選びの基準を決める
- 健康管理を徹底する
①家族へ配慮する
オープンマリッジの大前提は家庭が最優先であることです。子どもや親族など、家族には絶対に知られないよう細心の注意を払い、家庭で過ごす時間を何よりも大切にしましょう。
「家庭あっての新しい恋愛」と考えて行動することが大切です。
②感情に向き合う
オープンマリッジでは嫉妬心も自然な感情です。もし感じたらどうするか、事前に対処法を決めておきましょう。
「ちょっと寂しい」「不安だった」など、素直に表明することで相互理解が進み、結果的に夫婦仲も深まります。
③お金は家計と別にする
デート費用などは、金銭トラブルのもとになりがちです。使う範囲や負担割合を事前に明確に決め、必ず個人の自由に使えるお金から捻出しましょう。
家計とは完全に切り離すことが、信頼を守るうえで鉄則です。
④頻度を明確にする
日常生活を守るため、会う頻度や時間帯は事前に決め、相手を優先しすぎないことが大切です。
会う場所は家族の行動範囲を避け、夫婦の思い出の場所などもNGです。明確な線引きが、家庭への配慮につながります。
⑤関係性の範囲を決める
許容できる関係の範囲を、具体的に線引きしておきましょう。性的関係を認めるのか、プラトニックな関係を保つのかは、夫婦で話し合って決めることが重要です。
性行為を認める場合は、避妊などのルールを設けましょう。
共通認識がないまま進めると、後から「そんなつもりじゃなかった」と揉める可能性が高まるため注意が必要です。
⑥相手選びの基準を話し合う
婚外パートナー選びは夫婦関係にも影響するため慎重さが肝心です。パートナーの安心のため、許容できる相手の基準を明確にしましょう。
元恋人や職場関係者など、避けてほしい相手も事前に話し合っておくことが大切です。
⑦健康管理は徹底する
性的関係を含むなら、健康管理は重要です。コンドーム着用や定期検査など、性感染症予防策を具体的に決めましょう。
自分と大切なパートナーの健康を守るために必須のルールです。
オープンマリッジにおすすめの既婚者マッチングサイト5選
オープンマリッジという新しい関係を築くうえで、パートナー以外の人との出会いは、慎重に進めたいものです。
既婚者向けのマッチングサイトなら、身元確認のための公的証明書の提出や、24時間の監視体制など、安全に利用できる仕組みが整っています。
また、最初から既婚者であること、特別な関係を築きたいという前提があるため、価値観のズレも少なく、安心して理想の相手と出会いやすいでしょう。
ここでは、オープンマリッジのパートナー探しにおすすめの既婚者向けマッチングサイトを5つご紹介します。
- YOLOO
- Cuddle(カドル)
- Healmate(ヒールメイト)
- Layer(レイヤー)
- Meet(ミート)
YOLOO
YOLOOは「人生を楽しむための特別な出会い」をコンセプトにした既婚者向けマッチングアプリで、オープンマリッジの相手探しにも利用できます。
最大の特徴は、レコメンドや検索だけでなく、検索や募集を通じて新しい出会いを探せる点です。直感的で使いやすいシンプルな操作性であるため、忙しい人でもスムーズに相手を探せます。
YOLOOを利用するメリットは、以下の通りです。
- 多様な検索機能で希望の相手を見つけやすい
- 厳格な管理体制だから安心できる
会員数 | 非公開 |
年齢層 | 非公開 |
月額料金 | 女性:無料 |
運営元 | DP株式会社 |
サイトリンク |
Cuddle(カドル)
Cuddleは「既婚者のための第3の居場所」をコンセプトにした既婚者向けマッチングサービスです。
プロフィールや希望条件をもとにAIが最適な相手を提案するほか、会える時間帯の設定など、既婚者向けのプライバシーに配慮した機能が充実しています。
Cuddleを利用するメリットは以下の通りです。
- マッチング率が高い
- 主要都市だけでなく地方在住者の利用も増加している
会員数 | 50万人 |
年齢層 | 30〜40代 |
月額料金 | 女性:無料 |
運営元 | ThirdPlace株式会社 |
サイトリンク |
Healmate(ヒールメイト)
Healmateは、心のつながりを大切にする既婚者のための専用マッチングサイトです。セカンドパートナーや良き理解者を見つける場として利用されており、オープンマリッジを考える人に適したプラットフォームです。
心のつながりを重視するユーザーが多いため、表面的な関係ではなく深い理解にもとづいたパートナーを見つけられます。
Healmateを利用するメリットは以下の通りです。
- プロフィール項目が充実している
- 価値観や趣味が合う相手を探しやすいよう工夫されている
会員数 | 30万人 |
年齢層 | 30〜40代 |
月額料金 | 女性:無料〜(有料プランあり) |
運営元 | レゾンデートル株式会社 |
サイトリンク |
Layer(レイヤー)
Layerは「心が満たされる出会い」をコンセプトにした既婚者向けマッチングサイトです。
最大の特徴は、16個の趣味カテゴリーから共通の興味を持つ相手を探せる点です。趣味や好きなことでつながれる機能が安心材料となり、女性を中心にユーザー数を伸ばしています。
Layerを利用するメリットは以下の通りです。
- 趣味を通じて自然に関係を深められる
- 都市部、大阪・福岡など主要都市のユーザーが多い
- 都市部では合コンも主催されている
会員数 | 非公開 |
年齢層 | 20〜40代 |
月額料金 | 女性:無料 |
運営元 | 株式会社Layer |
サイトリンク |
Meet(ミート)
Meetは「友達探しコミュニティ」をコンセプトにしたマッチングサイトです。共通の趣味を持つ友人や、気軽に飲みに行ける仲間を探すことを目的とした男女が多く利用しており、ライトな関係から始めたいと考える人におすすめです。
既婚者向けでありながら、「友達探し」という気軽な関係性を前面に打ち出しており、気軽に気の合う相手を見つけたいというニーズに応えています。
Meetを利用するメリットは以下の通りです。
- 友人として気軽に交流できる相手を探しやすい
- 老舗「キコンパ」も運営しているため安心できる
会員数 | 非公開 |
年齢層 | 30〜40代 |
月額料金 | 女性:無料 |
運営元 | 有限会社ライズ |
サイトリンク |
まとめ|オープンマリッジの選択で、新しい自分に出会おう
この記事では、オープンマリッジの安全な出会い方について、基本的な内容や注意点、具体的な始め方を交えて解説しました。
夫婦関係を見つめ直し、自分らしい生き方を模索する中で「オープンマリッジ」という選択肢に関心を持つことは特別なことではありません。
しかし、オープンマリッジは夫婦の合意と、揺るぎない信頼関係があって初めて成り立ちます。安易な気持ちで始めるのではなく、夫婦間での誠実な対話と、ルールを守るという強い意志が求められます。
最終的にどのような関係性を選択するのかは、あなたとパートナー次第です。
オープンマリッジという形が、二人にとって良い未来につながるという確信があれば、慎重に進めていくことが大切でしょう。